私たちのツアーでもとても人気のある商品であるクロコダイルレザー商品。仕入れツアーではその魅力を伝えさせて頂いています。
革製品やクロコダイル革は知れば知るほど奥が深い魅力的な商品です。
今回はその更なる魅力をお伝えする為に、タイ東北部のイサーン地域 ロイエットにあるクロコダイルファームに視察に行ってきました。
目次
ロイエット県
タイの東北部のイサーンです。RIMNAMのガイドのナムもロイエット出身。飛行機だとバンコク(ドンムアン空港)からロイエット空港まで1時間弱くらいの距離。車だと7〜8時間かかります。
ロイエットはクロコダイルの養殖地として県でその産業をおしており、県内には60以上のクロコダイルファームがあります。
クロコダイル協会の会長さん自らお出迎え
空港に到着するとロイエットのクロコダイル協会会長さん自らがお出迎え。協会が2つあって、その2トップがわざわざいらしてくれました。
クロコダールファームを訪問
早速クロコダイルファームを訪問します。1軒目は長年クロコダイルファームを運営しているタイの老夫婦のファーム。
とても良い味が出ているタイのワニ飼育職人。
お一人様用の部屋が多数あります。お一人様用の部屋はクロコダイルの腹革に傷がつかないようにする為。
集団で育てると喧嘩などで腹革に傷がついてしまうので。集団飼いのようにスペースを有効活用出来ないので綺麗な腹革は価値・値段が上がります。
クロコダイル協会の会長さん自らプレゼン
会長みずから熱くクロコダイルについて語ってくれました。
このファームでは約700頭のクロコダイルを養殖しています。
パパワニとママワニ
クロコダイルは毎年1回春の時期に卵を産みます。1頭につき30〜40個の卵を産むとの事。池の側にある土の所に産卵します。卵は孵化する機械に入れて人工的に孵化させます。
養殖場ではオスワニ1匹に対して5匹のメスをあてがうハーレム状態。このファームではオス6頭、メスが30頭いて、その中でもヒエラルキーがあるとの事でした。これはどの社会でも同じかな。
子ワニ
孵化してから数ヶ月はとても小さくて可愛い。小さなスペースだけで充分です。
生後数ヶ月ワニ
1歳〜3歳のワニ
一般的に3歳〜4歳くらいまで育ててからワニを革にします。あまり大きくなりすぎると腹革の模様(竹斑)が大きくなりすぎてバッグや財布に適さなくなるからです。
クロコダイルに餌やり
餌は骨つきの鶏肉。ゴリっと骨を噛み砕きますが咀嚼は少なく蛇のように飲み込む感じです。爬虫類の食事は基本的に同じなのかと思いました。
加工工場を訪問
クロコダイルファームを一通り見学させてもらったら次は加工工場に訪問させてもらいました。
鞣(なめし)・タンニングについて
屠殺したクロコダイルから皮を剥ぎ原皮の状態ではすぐに腐ってしまいます。なめしは皮に加工をして耐久性や柔軟性をもたらし、皮を革にします。
植物タンニンなめし
木の樹液を固形にしたものがありまして それを水に溶かして皮をなめします。自然の物を使っているので環境にも良く長い歴史のあるなめし方法です。
時間と手間が掛かるのですがなめした後はウェットホワイトという自然な白色になります。
色の定着はクロムなめしに比較して良くないのですが、革はエイジングしていき独特の味が出てきます。
クロムなめし
化学品であるクロムを使って皮をなめす方法です。薬品を使うことによって簡単に低コストで早く皮をなめす事が出来ます。
クロムなめしで鞣した革をウェットブルーと呼びます。色の定着もよく水や傷にも強いのが特徴です。タイの市場にあるのクロコダイル革のほとんどがクロムなめしによるものです。
ウェットホワイトとウェットブルー
右:ウェットホワイト(植物なめし)
左:ウェットブルー(クロムなめし)
シャムワニとカイマンの違い
ワニにはクロコダイル科、アリゲーター科、ガビアル科といった種類があります。タイのマーケットに出ているワニ革は一般的にクロコダイルとカイマンです。
タイのクロコダイルはシャムワニと呼ばれ、シャムはタイを意味しています。カイマンはクロコダイルとは違い一般的に安価価格で取引されます。
クロコダイル製品を仕入れる時に気をつけなければいけないのは、安価なカイマンを誤ってクロコダイルとして仕入れてしまう事です。
またカイマンを誤ってクロコダイルとして販売するのも違法行為です。
クロコダイルとカイマンの見分け方
クロコダイル(シャムワニ)の背革
シャムワニの背中・首元にあるコブの形が写真のようになっています。このコブが単体である感じです。
カイマンの背革
カイマンの背中・首元のコブはこのような丸い形。またコブとその後の背びれが繋がっています。
また腹革ではカイマンには小さな粒のような跡が点在しています。腹革としては美しくなく価格も安価になります。
ヒマラヤン クロコダイルについて
ヒマラヤンとはヒマラヤ山脈のような白い色の革の事を言います。なめした後の革は色が抜けており「ヒマラヤン」となっていますが、製品によっては更に白い着色がされています。
エルメスのバーキンがこのヒマラヤンカラーを始めたので現在マーケットでは人気の色になっています。
ポンサイ村で歓迎される
今回のクロコダイルファームの訪問で村長さんや市長さんに歓迎を受けました。日本人が村に来てくれることは滅多にないとの事。町の集会所で盛大におもてなしをして頂きました。
何でもいいからしゃべってとスピーチをさせられる。
市長さんと同じ椅子に座るというVIP待遇。
RIMNAMのクロコダイル革のご提案
私たちはロイエット県のクロコダイル産業を盛り上げるために積極的にクロコダイルの魅力を伝えていきたいと思います。
また私たちが取り扱うのは「タンニンなめし」のクロコダイルレザーとなります。
植物タンニンなめしの特徴のおさらい
・古来から皮をなめす時に使われた技法
・手間と時間がかかる
・環境に優しい
・ウェットホワイトという自然な白色になる
・革がエイジングして独特の味が出る
・色の定着がクロムなめしより良くない
・価格はクロムなめしより高い
・タイの市場にはほとんどない
クロコダイル1枚革
植物なめしをしたクロコダイルの革をそのままお送りします。ヒマラヤンでも着色したものでも手配可能です。CITESも発行致します。
クロコダイル革製品のオーダーメイド
自社のオリジナル製品を作りたいという方はこちらからお問い合わせ下さい。植物なめしをしたクロコダイル革を使ったオリジナル商品は市場にはほとんどないので、他にない価値のある商品をお取り扱いする事が出来ます。CITESも発行致します。